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思い出のマーニーで伝えたいことって何?なぜ意味が分からないのかも解説

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ジブリ映画の中でも伝えたいことが分かりづらいという声が多い『思い出のマーニー』。

「ジブリの中でいちばん好きな作品!」

「冒頭で号泣した。感動した。」

という一方で、

「結局何が伝えたいのか理解できなかった。」

「主人公が卑屈すぎて観るのがイヤになった。」

など、賛否両論はっきり分かれる作品であることがわかります。

ラストの展開はまた別として、この作品には深いメッセージがあると私は感じています。

それでは思い出のマーニーで伝えたいことと意味が分からない理由は何でしょうか?

以降、ネタバレを含んでいますのでご注意ください。

目次

思い出のマーニーで伝えたいことって何?

簡潔にまとめると、以下の3点に行きつきました。

  1. 人は誰もが誰かに愛されている
  2. 誰もが悩み苦しみ辛い思いをしながら生きている
  3. 前向きに生きることと許すことが大切である

では、物語の要点からこの作品の伝えたいことを読み解いていきましょう。

その1:人は誰もが誰かに愛されている

主人公の杏奈は幼少期に両親を亡くし、義両親のもとで育てられた孤児です。

そのためか他人と上手く関わることが苦手で、学校でも孤立していました。

それでも当時の生活に特別不満を抱いていたわけではありません。

それが変わったのは、義両親が自分の養育のために補助金を受け取っていることを知った時です。

「自分を養子に迎えたのはお金のためだったの?」

義両親に対して不信感を抱くようにになった杏奈は、自分は誰からも愛されてないとますます心を閉ざします。

喘息発作も悪化し手に負えないと感じた義母は、杏奈の療養のため親戚の元へ送り出します。

その避暑地で杏奈はマーニーと出会うことになるのです。

マーニーとの交流の最中、親戚宅にて見た自分の幼少期の写真を見つけます。

そこには義両親から惜しみない愛情を注がれて笑顔の杏奈が写っていたのです。

色んな出来事が起きる中でだんだんと、杏奈は自分が確かに愛されていることを思い出してきます。

そのことは杏奈の表情の変化からも読み取れますね^^

その2:誰もが悩み苦しみ辛い思いをしながら生きている

多感な時期を思い出すと、隣の芝生が青く見えた経験はありませんか?

杏奈はお金のために義両親に育てられ、普通に両親がいる人は誰もが自分より幸せそうに見えたんですね。

でもマーニーは何不自由のない裕福な家で育っていても、実の家族から愛情をもらっていませんでした。

杏奈はマーニーと出会うことで自分の価値観を改めることになります。

誰もが何らかの悩みや苦しみや辛い思いを抱えながら生きていることに気がつくのです。

人って、自分の負の部分を他人には見せないものですよね?

MANA

私もなるべく見せないようにしたいと思って生きています。

見えないからこそ他人をうらやましく思い、『隣の芝生は青く見える』んですね。

その3:前向きに生きることと許すことが大切である

マーニーはどんなに辛い半生を生きてきても明るく前向きでした。

杏奈とは物事の捉え方が違っていたのですね。

『今がどんなにしんどくても、前向きに明るく生きていくことが大切』

マーニーはこのような信念を持っていたのではないでしょうか。

そんなマーニーに、杏奈は次第に感化されていったと考えられますね。

  • 両親が自分を残して亡くなった悲しみと怒り
  • 祖母に対する怒り
  • 補助金を受け取っていた義両親への不信感

ストーリーが進行していくにつれて、杏奈はこの三つの感情を浄化していきます。

杏奈はマーニーを許し、過去を許し、自分を解き放っていったんですね^^

思い出のマーニーの伝えたいことを内容から理解するためのポイント3点

順を追ってポイント3点を振り返ってみます。

展開の早いお話なので、ぶつ切りのような感じがするかと思いますが了承くださいませ^^;

ポイント①幼少期のヒロインたちの境遇に共通する壮絶な経験

前述したように、二人は壮絶な半生を生きてきました。

  • 杏奈は5歳から里親に育てられた孤児
  • マーニーはネグレクト(育児放棄)と親族からのいじめを受けていた

過去の経験から生まれた彼女たちの孤独感は似通う部分が多いといえます。

これは後述する心理学でいうところの「ミラーの法則」につながっていきます。

ポイント②2人だけの秘密だよの意味

二人が親密になるきっかけともいえる『秘密』の共有。

混乱した方もいらっしゃると思います。

なぜなら、杏奈の姿はマーニーの家族や知人たちに見られているからです。

ここでいう『秘密』は『杏奈とマーニーが会っている』ことそのものと捉えられます。

つまり、『誰にも』とは、『杏奈の世界の人には誰にも』という意味と考えられます。

MANA

杏奈は親しい友達ができた喜びを感じる一方、マーニーは同時に杏奈を守ろうとしていたことになります。

しかし、湿っち屋敷に住むことになった彩香に『秘密』を話したどうかが不明なので断言はできないところです。

ポイント③終盤の二人のお別れのシーン

本編のいちばん印象に残るシーンである、ヒロインたちのお別れ。

マーニーは自分がいなくなることを杏奈に謝ると同時に許しを求めます。

普通に考えて、親友とお別れする時に「お互い元気でね」と言うことはあっても許しを求めることって少ないですよね?

のちにマーニーが杏奈の祖母の虚像であることがわかり、杏奈がマーニーを許した、つまり、ひとり自分を残して逝った祖母を許したということになります。

以上が本編で重要なポイント3点です。

MANA

ホントにぶつ切りで分かりにくいですよね?^^;

ここからは以上を踏まえた解釈を解説していきます。

思い出のマーニーの伝えたいことを理解するための解釈例

作品の伝えたいことを理解するためには、本を読むときのように自分で解釈する必要があります。

この作品では主人公の心情がなぜどのようにして明るい方へ変化していくのかを考えます。

解釈は人によって異なりますので、本記事でお伝えするのはあくまで私の解釈です。

秘密の共有は他者との絆を深めやすい

幼少期を思い出してみましょう。

仲の良い友達と秘密をお互いに共有した事はありませんか?

私は20代の時に心理学を少し学んだことがあります。

MANA

自分を肯定する作業の1つに、ある人とペアを組んで秘密を共有するというワークがありました。

人は秘密を共有し合うと相手への好意が高まることが科学的に立証されています。

劇中でも主人公たちが同じようなシチュエーションになるシーンがありますよね。

自己肯定感の向上には第三者からの愛情が不可欠

自分が嫌いと言う感情をなくしていくには、他人からの無償の愛情が不可欠です。

特に主人公の杏奈は孤児ということもあり、他者との愛着形成に飢えていることが伺えます。

自分で自分を愛せる感覚は、1人で身に付けるのは難しいですね。

自己肯定感のとても低い主人公の杏奈

ジブリ作品では珍しく、主人公は自己肯定感が著しく低い少女です。

視聴者によっては、イラついてしょうがなくなるかもしれませんね。

MANA

私自身は自己肯定感があまり高いとは言えないので、主人公の心情に沿う事は難しくありません。

その主人公がどのようにして自分を癒すに至るかが焦点ですね。

杏奈はマーニーを通してヒーリングを受けたと言える

喘息になるほど対人関係のストレスを抱えた杏奈は、マーニーとの心の交流で少しずつ癒されていきます。

お互いがお互いを必要としていると感じている状態は依存的な面もありますが、とても心地よく感じるものですよね。

これはヒーリングの手法の1つとして存在しています。

マーニーを許すことが杏奈の心を癒した

人を許すということはかなりのエネルギーを使うことですよね。

一度許せないと思ったことならばなおさらです。

この出来事がいわゆるカタルシスにつながるんですね。

人間同士の信頼関係を深めるためには逃げないことも大切

冒頭の杏奈は、他人と向き合うことから逃げてきたともいえます。

それが、マーニーとの絆を深めていく中で変化していきます。

信頼されるには相手を信頼することから始まるとは、この作品のこともいえますね。

思い出のマーニーの伝えたいことを理解する手がかり

この作品の要点を理解するには、3つのことに注目する必要があると考えています。

①コピーにある『魔法の輪』の解釈

魔法と聞くと、なんとなくキラキラしたものを思い浮かべませんか?

ここで言う魔法の輪とは、人の輪とも解釈できると思います。

その外側にいるということは、自分は人の輪の外側にいると感じているのと同じですね。

実際は自分が作り上げた心理的な壁のことですね。

②心理学的に言う所のミラーの法則

人とコミュニケーションをとる時、自分と相手は鏡同士であることを「ミラーの法則」と呼ばれています。

つまり「相手=自分」なので、相手を想うことは自分を大事に思うのと同じことであると考えます。

実に私たちの日常にありふれている事象といえますね。

③杏奈と義母の関係性の変化

杏奈の自己肯定感が高まったことで、人間関係に大きな変化が訪れます。

MANA

一番大きいのは義母との関係ではないでしょうか。

最後に義母を母と呼べるようになったのは、杏奈の心境の大きな変化を表していますね。

思い出のマーニーの意味がわかりにくい理由

思い出のマーニーの内容の意味がわかりにくい理由は3つあると考えています。

ポイント

  1. 原作と映画で設定の作り込みの差があった
  2. 物語の舞台設定が違う
  3. 主人公の心情を理解できる人と理解できない人はっきり分かれる

それでは一つずつ説明してきますね!

 

①原作と比較して設定の作り込みが甘かった

原作は日本語訳されているものでも上下巻に分かれており、決して短くない物語であることがわかります。

MANA

原作を先に読んでいた人にとっては、映画の解釈にやや疑問を抱いた方もいらっしゃったようですね。

これは、映像化作品においてはよくある現象といえます。

設定がどことなくちぐはぐに見えて何が言いたいのかわからないということになるんですね。

②欧米の文学を日本が舞台の設定にしてあるため違和感を感じやすい

知っての通り、思い出のマーニーはイギリスの児童文学です。

コミュニケーションの取り方や愛情表現にはその国の文化が反映されるので、セリフの端々に違和感を抱く方は少なくないでしょう。

製作陣もなるべく日本人向けにアレンジする努力をしたとは思いますが、メインキャラ2人の交流にある種のむず痒さを感じて苦手意識を抱く方もいるかもしれません。

そこに印象が持っていかれて、見終わった後に何が言いたかったのかわからないと言うことになるんですね。

③作品が刺さる人と刺さらない人が明確に分かれやすい

思い出のマーニーの主人公である杏奈は、最初かなり自己肯定感の低い女の子です。

大人からすると、幼少期や思春期の多感な時期の自分を思い出さないと主人公の心情に寄り添うのが難しいという方もいらっしゃるでしょう。

MANA

自己肯定感が低かったり、人間関係に不安を抱えていた経験がある人とない人で作品への感じ方に差が出るということですね。

劇中の言葉で『魔法の輪』を日常生活で感じたことがあるか否かがキーポイントになります。

それゆえに作品の意味がわかりにくいと言う人も多いと考えられます。

まとめ

今回は思い出のマーニーの伝えたいことが何なのか、なぜ意味がわからないのか、解説してきました。

まとめると以下の3点でした。

  1. 人は誰もが誰かに愛されている
  2. 誰もが悩み苦しみ辛い思いをしながら生きている
  3. 前向きに生きることと許すことが大切である

ジブリ作品は物語の壮大さと映像美や音楽の美しさに圧倒されがちです。

一度見ただけでは内容の理解が難しいことも少なくないですよね。

特に思い出のマーニーはメインキャラに感情移入できるかどうかでも伝えたい事が伝わるかに差が出るように思います。

もう一度作品を見る時は杏奈に対して、『世の中にはこういう人も存在するんだな』と思って観てみてください。

少しでも見えてくるものがあれば幸いです。

▼思い出のマーニー英語吹替版で杏奈を演じたヘイリー・スタインフェルドについてはこちらをご覧くださいね!

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