ジブリ映画『もののけ姫』の最後、問題の描写がありますね。
でも、アニメを見る限り、彼の腕には紫色のアザがうっすら残っています。
「アシタカの呪いは完全に解けたのか?」
「実はまだ呪いが残っているかも?」
と思う方も多いのではないでしょうか。
また、物語のその後タタラ場に残ったのはなぜでしょうか?
今回は「アシタカの腕の呪いは最後解けたのか?なぜ帰らずタタラ場に残った?」と題してお伝えします。
アシタカの腕の呪いは最後解けたのか?
もののけ姫 宮崎駿監督・脚本・原作
— たつぼう (@junklandZ) March 9, 2023
室町時代。タタリ神の呪いを解くため旅立った少年アシタカは、人間でありながら神々の側に居る「もののけ姫」と呼ばれる少女サンと出会う。。説明不要でしょう。スタッフやキャストが煮えたぎるように能力を発揮した傑作。一人で映画は出来ない。海外ではも一つ pic.twitter.com/lSTDmETQ7G
結論から言うと、アシタカの腕の呪いは最後に解けたとも完全に解けていないともいえます。
私は呪いが完全に解けたものと思っていましたが、違うんですか!?
本編の終わりにはシシ神が強風を巻き起こし、タタラ場周辺は緑で色づいていきます。
同時に、アシタカとサンの全身のアザも消えます。
一見、呪いが完全に解けたと解釈できますね。
それにもかかわらず、右腕のアザがうっすら残っているのはなぜでしょう?
アシタカの腕のアザをうっすら残した理由
これに関して宮崎駿監督の言葉をまとめると以下のようになります。
- 現代人はハッピーエンドに納得しづらい
- アザが完全に消えるより薄く残して再発の可能性をにおわせる方がリアル
確かに一理あるかも・・・。
平成以降のジブリ作品はストーリーがどこか曖昧なままでおとぎ話チックですよね。
アシタカの腕のアザを通してシシ神が伝えたかったことは?
右腕に残った薄いアザは、「過ちを忘れるな」というメッセージだそうです。
これはジブリの制作陣による意図と言われています。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とでも言いましょうか、人は過ちを繰り返すことも多いですよね。
つまりは二度と同じ間違いをするなとのシシ神からのメッセージといえます。
アザは一生残るのでしょうね・・・。
もののけ姫の呪いは怒りと憎しみの象徴
アシタカがタタリ神から受けた呪いは、自然界から人間への怒りと憎しみの象徴です。
ナゴの守は人間が作った鉄のつぶて(エボシ御前が放ったもの)によりタタリ神になりました。
自然界の怒りと憎しみの化身としてタタリ神になるのですね。
人知を超えた力と引き換えに広がる呪いのアザ
腕の呪いはアシタカ自身の負の感情にも連動し、狂暴化します。
とてつもないパワーで集落の門を開けたり、弓矢で兵士の身体を吹き飛ばしてしまったりするシーンですね。
腕に浮き出るニョロニョロが何とも不気味に思ったものです^^;
腕が暴れるたび、呪いのアザは範囲を広げていきました。
シシ神がアシタカに命を与えたから呪いが解けた?
シシ神は命を与え命を奪う、自然界のボス的存在です。
鹿のような猿のような、不思議な顔つきをしているんですよね。
アシタカはシシ神に命を奪われることを覚悟しながらも呪いを解こうと奔走します。
最後は人間が奪ったシシ神の首を返すと同時に呪いのアザがほぼ消えました。
これは首が戻るときに強風が吹き、山全体に命を与えたのと関係していると感じます。
そして、アシタカは右腕のアザを見つめながらタタラ場に残ると言います。
なぜそのような決断をしたのでしょうか?
アシタカはもののけ姫のその後なぜ帰らずタタラ場に残った?
身売りに出された女性やハンセン病患者を保護して職を与えるエボシが放つ「賢しらにわずかな不運を見せびらかすな」の言葉はなんだか重いよね。目に見える呪いもあれば、目に見えない呪いもある。深いな、もののけ姫。 pic.twitter.com/q2qrjVpWeE
— ウエノ🐈映画好きUIデザイナー (@designer_ueno) August 13, 2021
アシタカの決断には2つの理由があると考えています。
- 故郷には戻れないから
- タタラ場の復興を通して新たな人生を始めるため
具体的に掘り下げていきましょう^^
理由①故郷には戻れないから
冒頭の会話から、タタリ神の呪いを受けたら村を出る掟のようですね。
まげを切り落としたのは武士の時代を思わせます。
俗世を離れるような意味合いを感じませんか?
最初いきなり呪われた上に村を追い出されるなんて、鬼理不尽ですよね^^;
ゆえにアシタカはぶっちゃけ、村を追われた放浪の身です。
理由②タタラ場の復興を通して新たな人生を始めるため
アシタカとタタラ場の人たちはお互いが恩人同士です。
恩人たちの大切な住まいであるタタラ場の復興を手伝うことは恩返しですね。
同時に、サンたちの棲み家である森に近いのでいつでも会いに行けます。
アシタカの言う「共に生きる」とは、つまりそういうことではないでしょうか?
絶望の中に希望をのぞかせて終わるので、最後は気持ちが晴れますね^^
旅先であるタタラ場で新たな人間関係を築き、生きていく道を選んだのでしょう。
まとめ
「もののけ姫」鑑賞
— ミツオさん (@mitsuo_cinema) July 21, 2020
自然と人間の対立構造という共通のテーマを持つ「風の谷のナウシカ」が文明崩壊後を描写していたのに対し、本作は文明の勃興期を舞台としていたのが興味深い。里を追われ、残された「呪い」の完結を待つアシタカと人間にも山犬にもなれないサン。二者の呼応する関係性が良かった。 pic.twitter.com/QSRAsd8exk
今回は「アシタカの腕の呪いは最後解けたのか?もののけ姫のその後なぜ帰らずタタラ場に残った?」についてお伝えしました。
アシタカの腕の呪いは解けたとも完全には解けていないとも解釈できます。
呪いが解けたのかうやむやなのは、宮崎駿さんら制作陣の意図ということでしたね。
最後タタラ場に残ったのは、帰る場所がどこにもないからでした。
毎度ジブリ作品には深く考察させられます><
物語の最後を意識しながらもう一度『もののけ姫』をご覧くださいね!